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現象から病態へ

木曜日は、朝からやはり暑い。
寝不足とは言えども、いつも少し休めたので、わりと体調は良い様子だ。
水曜日の晩は、研究グループで進捗状況を確認し、これからの予定を報告した。
準備をして、じっくりととりくもうと思う。
その後、次の学会へ演題登録を行い、一段落した。
抄録は文字数が限られているため、何かと難しい部分がある。
正確に表記すべきなのだが、優先順位があり、時には削らないといけないこともある。
まぁ、いずれにせよ、査読を待つしかない。

木曜日は、学生の発表だった。
ギリギリの時間まで、奮闘していたようだが、まずまずの結果だったのではないだろうか。
教員からは、何かと疑問点を指摘されたようだが、めげずに進んでほしい。
色々な視点がある中で、限られたもの、ルーチン化されたものに当てめようとする傾向にあるのは、むしろ誰なのだろう。
医学、科学は進歩しているのであり、現在を進む必要性を感じるように思う。
どうしても、日本人気質として、出る杭は打たれる傾向にはあるが、それを否定できるだけのマテリアルは存在するのだろうか?
頭ごなしに否定することは、良いとは思えず、その思考・帰結に至ったプロセスが問題ではないだろうか。
説明しきれない点では、臨床家の甘さもあるかもしれないが、裏付けられたものがあるのであれば、それを信じて追及するのも一つだ。
ただし、適応と不適応を捉えておくことが重要なのだ。
大きなフレームだけで、物事を考えるだけではダメだ。
現象から病態へと進む思考の重要性と必要性をしらなけれならない。
病態はどこに存在しているかは、要素還元的なものでは語ることができず、その個人の思考覗きこむ必要性があるのだろう。
そういう意味でのパラダイム転換は、必要だ。
決められた枠に収まるだけでは、新たな臨床の展開は生まれないのかもしれない。
結局は、フレームにはまらないものは、プラトーとして扱われるのだ。
人は学習し続けるものであり、学習は要素還元的に指標としてとらえることができても、その中身までは見ることができない。
脳の可塑性が証明され、変化していく事実がそこには存在している。
記憶していくメカニズムについても、ある程度は説明がなされている。
この事実を臨床に組み込んでいくことが、臨床家のセンスであり勤めではないだろうか。
何かを経験する、しないとかそんな単純なレベルではなく、経験している運動の内容がもっと重要だ。
運動は運動学的にも分析が行えるが、その機序、制御までは見えない。
両方の視点を持ち、分析的に病態を見ていくことが必要だろう。

現象から病態へと食い込む、臨床へ。

前進あるのみだ。
本当に、患者を良くしていくために必要なことは自らが体感し、思考し続けるしかない。

その難しさもまた、楽しさだ。


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